『維新と興亜』第13号に掲載した維新政党・新風代表・魚谷哲央氏「戦後体制を強化した安倍政権」の一部を紹介いたします。
■戦後体制の打破を正面から掲げる唯一の政党
── 参院選で最も訴えたいことは何ですか。
魚谷 我々維新政党・新風は、戦後体制の打破を正面から掲げる唯一の政党です。戦後体制打破なくして、日本は真の独立主権国家たり得ません。右派的な主張をする政党は「保守政党」として括られますが、我々は、自分たちが保守政党だとは考えていません。あくまでも我々は「維新政党」なのです。
わが党は、「基本政策大綱」序文で、「大東亜戦争後の日本の戦後処理を決定したヤルタ密約とポツダム宣言によつてもたらされた戦後体制を打破し、正統かつ常識的なる国家体制の回復を第一義として、皇室を中心とした自由で平和かつ豊かな社会を築くことを目的としてゐる」と謳っています。
我々の立場は、戦後体制の枠内にある自民党右派の立場とは根本的に異なります。平成18(2006)年に発足した第一次安倍政権は、「戦後レジームからの脱却」を掲げました。その時、「保守派」は安倍総理に期待しましたが、我々はその限界を見抜いていました。
平成19年7月の参議院選挙で、我々は「安倍さんの言葉と我々の言葉は似ているが、実態は真逆です。安倍総理が言う『戦後レジームからの脱却』は、戦後体制を肯定し、それを強化していく方向です」と主張しました。実際、安倍政権が行ったことは、日本の自主性を高めることなく、日米安保体制を強化することでしかありませんでした。第二次政権では、「戦後レジームからの脱却」自体が封印されてしまいました。
名の知れた政治家が保守的な姿勢を示すと、「保守派」は安易にそれに乗ってしまいますが、結局戦後体制そのものである自民党の政策に戻ってしまいます。
── 今回の参院選では、保守を標榜する新しい政党がいくつか参戦します。
魚谷 驚くほど多くの「保守政党」が出ていますね。過去にも新しい保守政党が注目を集めたことはあります。しかし、強固な思想性に支えられなければ、結局自民党右派的な流れに飲み込まれてしまいます。