稲村公望「維新の背後にダボス会議・マッキンゼー?(国際拝金主義勢力)」(『維新と興亜』第10号)


『維新と興亜』第10号(令和3年12月28日発売)の稲村公望先生インタビュー「維新の背後にダボス会議・マッキンゼー?(国際拝金主義勢力)」の一部を紹介します。

■大阪で利益を貪るオリックスの正体
── 「維新八策」に示されるように、維新の会の政策には大企業やグローバル企業の要望に沿った項目が並んでいます。
稲村 世界経済を牛耳るグローバル企業は、ダボス会議などの舞台で国際的な利益追求目標を定め、それに沿って形成される市場で利益を独占しています。私は、こうした勢力を「国際拝金主義勢力」と呼んでいます。維新の会は、竹中平蔵氏らのグローバリストと緊密に連携し、国際的なアジェンダに沿った日本の改革を要求しているのです。しかも、維新の牙城となった大阪は、「国際拝金主義勢力」の草刈り場となっています。売国的な「改革」と言わざるを得ません。
 大阪では、「国際拝金主義勢力」に連なるオリックスの動きがますます活発になっています。大阪府と大阪市は、カジノを含む統合型リゾートの事業者に、オリックスとラスベガスに本社を置くカジノ大手MGMの共同事業体を選定しました。
 「コンセッション推進」の掛け声のもと、竹中氏が公共サービス民営化の旗を振る中で、すでに関西国際空港と大阪国際空港は、オリックスとフランスのヴァンシ・エアポートなどで構成される共同事業体が運営しています。宮城県が強行した「上下水道と工業用水の一括民営化」により、オリックスはフランスの水メジャー・ヴェオリアとともに参入しましたが、すでにヴェオリアは大阪市でも水道メーター検針・計量審査および料金徴収等業務を受託しています。
── オリックス会長を務めた宮内義彦氏は、規制改革を推進する政府の諮問会議の議長を長期にわたって務めていた人物です。
稲村 宮内氏は竹中氏とともに、様々な分野の規制改革を推進してきましたが、竹中氏はオリックスの社外取締役を務めています。オリックスは、竹中氏らが推進した規制改革や民営化によって生み出された市場にいち早く参入して利益を得てきました。彼らが「政商」、「レントシーカー」と批判されるのは当然です。
 旧村上ファンド代表の投資家で、現在はシンガポールに在住する村上世彰氏が、維新の会に法定上限の2000万円を超える個人献金をしたなどとして、上脇博之・神戸学院大教授らが、村上氏と維新の会共同代表らに対する政治資金規正法違反容疑の告発状を大阪地検特捜部に提出しましたが、村上ファンドはもともと宮内義彦氏の後ろ盾で設立されたと言われています。

■日本の規制改革はダボス会議が課した宿題
── ダボス会議はどのような役割を果たしているのですか。
稲村 ダボス会議は、スイスの経済学者クラウス・シュワブ氏が1971年に設立した世界経済フォーラム(WEF)が毎年スイスのダボスで開催している年次総会です。
 人類共通の課題に取り組むという建前とは裏腹に、ダボス会議のアジェンダに沿って、世界各国でグローバル企業に有利な制度変更が進んでいるのです。その中心人物がWEF理事を務める唯一の日本人である竹中平蔵氏です。
 2012年衆院選では、維新の会の候補者選定委員長に竹中氏が就任しました。維新の候補者が竹中路線に忠実な新自由主義者ばかりになったのは、当然の結果です。
 これまでも、竹中氏はダボス会議を利用して、規制改革を推し進めてきました。例えば、2014年のダボス会議で安倍元総理が「これから2年間で、ドリルですべての岩盤規制を砕く」と国際公約したのも、竹中氏のお膳立てによるものでしょう。
 つまり、日本の「改革」はダボス会議の指令によって歪められているのです。日本の規制改革が、ダボス会議によって求められた日本の宿題であるということは、竹中氏自身が語っていることです。『産経新聞』(2018年2月8日付)で、竹中氏は、「今回のダボス会議は、日本に対して以下のような宿題を投げかけた」と述べ、規制緩和の推進、大幅な法人減税、マイナンバー制度の強化などを「宿題」として挙げました。
 竹中氏とともに、ダボス会議に深く関わっているのが、インテルの日本法人社長を務めていた江田麻季子氏です。WEFの日本代表は江田氏なのです。2020年9月16日に安倍首相に代わって首相に就いた菅義偉氏は、同年10月26日に所信表明演説をし、〈私が目指す社会像は、「自助・共助・公助」そして「絆」です〉と述べた上で、デジタル庁設立や2050年までに温室効果ガス排出をゼロにするなどの方針を掲げました。
 これらもまた、WEFのアジェンダに沿ったものだということです。実は、この所信表明演説直前の10月15日に、菅総理はシュワブ会長らとテレビ会議を行っていたのです。そこに同席していたのが、竹中氏と江田氏です。
 小泉進次郎氏が環境大臣を務めていた2021年3月に、環境省はWEFとの共催で「循環経済ラウンドテーブル会合」をオンラインで開催しましたが、このモデレーターを務めたのも江田氏です。
 デジタル庁の事務方トップに当たる「デジタル監」に就任した石倉洋子氏もまた、WEFグローバル・アジェンダ評議会のメンバーです。竹中氏と石倉氏は、連携してWEFのアジェンダ実施を進めてきたようです。彼女は、郵政公社社外理事として小泉政権時代の郵政民営化にも関与していました。彼女は、2010年には、竹中氏が理事長を務める「アカデミーヒルズ」で、「グローバル・アジェンダ・ゼミナール」を開講しています。これに先立ち、2009年11月に「アカデミーヒルズ」のセミナーの講師を務めたのが、WEFのヤング・グローバル・リーダーに選ばれた勝間和代氏です。
 岸田政権が「新自由主義からの転換」を掲げた今、「国際拝金主義勢力」は維新の会を徹底的に利用して、日本の改革を加速させようとするでしょう。橋下徹氏もまたダボス会議に関与してきました。彼はWEFの2009年度のヤング・グローバル・リーダーズに選出されています。

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