【特集】維新の会は竹中平蔵一派なのか 「身を切る改革」の正体(『維新と興亜』第10号)


『維新と興亜』第10号(令和3年12月28日発売)の特集「維新の会は竹中平蔵一派なのか 『身を切る改革』の正体」のリードの一部を紹介します。

【特集】維新の会は竹中平蔵一派なのか 「身を切る改革」の正体(『維新と興亜』第10号)

■維新主導で規制改革が加速する危険性
 日本維新の会は、第二次安倍政権、菅政権で強行された新自由主義的な改革を支援すべく、TPP関連法、改正水道法、カジノ推進法などに賛成して、与党の補完勢力の役割を演じてきたが、岸田政権が「新自由主義からの転換」を掲げる中で、自ら新自由主義の旗振り役を演じようとしている。
 維新はいま、トランプ前大統領が採用した「2対1ルール」という規制改革のルールの法制化を目指している。こうした動きを無視できないのは、今回の衆院選で維新が41議席を確保した結果、例えば国民民主党の11議席を足すと、予算を伴う法律案の発議の条件である50名以上の賛成を満たせるからである。維新主導で新自由主義的な規制改革・民営化がさらに加速する危険性があるということだ。
 維新の政策は自民党以上に、弱肉強食の競争原理に彩られている。「維新八策」を見ればそれは一目瞭然である。次頁の表に示されるように、「維新八策」に掲げられた政策は、竹中平蔵氏・原英史氏共著の『日本の宿題』と見事に符合している。竹中氏が唱える、規制改革のための「事後チェックへの移行」、農業委員会改革、ライドシェア・民泊などのシェアリングエコノミーの推進、コンセッション方式による公共サービスの民営化、ベーシックインカムの導入、金銭解雇ルールの導入、道州制などが、ことごとく「維新八策」に並んでいる。2012年に発表された最初の「維新八策」を取りまとめた浅田均前政調会長は次のように語っている。
 「小泉純一郎内閣から第一次安倍内閣の時代に竹中平蔵さんの周りにいた渡辺(喜美)さん、古賀茂明さん、高橋洋一さんといった人たちと、考え方や価値観のかなりの部分が重なっています。維新八策も、こちらで考えている部分と、そういう方々の知恵を借りて構成されている部分があります」
 この発言は、維新の政策が竹中氏らの主張を取り入れて作られていたことを明確に示している。維新が2012年の衆院選で竹中氏を候補者選定委員長に起用したほど、両者は一体化しているのだ。

■医療崩壊に拍車をかけた病院職員の削減
 小泉政権以来の規制改革は、弱者の切り捨て、格差の拡大、共同体の破壊など深刻な問題をもたらした。規制改革で潤ったのは、大企業やグローバル企業だけだ。維新の規制改革も、グローバル企業やオリックスやパソナといった竹中系企業の利益拡大のために推進されているのではないか。
 新自由主義的な「改革」がもたらす弊害は、大阪でもはっきり示されている。しかも、それは住民の命にかかわる重大問題だ。大阪府と大阪市は、「赤字行政の改革」「行政の無駄を省く」をスローガンに、公的医療、保健所の人員削減を推進してきた。2007年から2019年までの12年間に、全国の医師や看護師などの病院職員は21万8000人から20万3000人に削減された。6%強の削減だ。ところが、大阪では12年間で50%強も削減されているのだ。
 また、保健所を含む衛生行政職員数は、全国で15万9000人から13万5000人と15・4%削減されたが、大阪では24・1%も削減された(『自公の罪 維新の毒』)。さらに、大阪府と大阪市は、市立病院や公衆衛生研究所の統廃合、病床削減を推進してきた。こうした過剰な削減がコロナによる医療逼迫に拍車をかけた結果、助かる命も助からなかったのだ。人口100万人あたりの死亡者は、大阪は346・6人と断トツでワーストなのだ。その責任は重大だ。
 ところが、在阪メディアの多くは、こうした吉村洋文大阪府知事の失政を厳しく追及しないどころか、維新のプロパガンダ機関に成り下がっている。こうした中で、令和3年12月2日に放送されたNHK『日曜討論』で、れいわ新選組の大石あきこ衆議院議員は、吉村知事のコロナ失政を真っ向から批判している。
 維新は、福祉・医療の切り捨てを進める一方で、「カジノありき」の大阪万博を推進し、気前よくそこに税金を投入しようとしている。万博会場となる大阪市の人工島・夢洲に新設される夢洲駅(仮称)の改札前広場やエレベーターの設置などに、大阪市が約30億円を負担することが明かになったのだ。

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