資本主義の自滅


既に世界の人口の半分以上が都市に生活しているという。これが「先進国」限定の話であったらさして驚かないが、「発展途上国」も含めてもそうであるというから驚かされる。

資本主義はその性質上都市化を求める。だが都市化してしまえば人口減少が発生する。してみれば資本主義は自滅が宿命づけられている思想と言えるのではないか。
日本人は、「自力で生活できない人を救う必要はない」と考える人が世界と比べても多い、薄情かつ冷酷、ケチで陰険な人間が多い。働くことに過度の期待と信仰を持ち、働くことは素晴らしいことだ、働かない奴はクズだという世界観にいる。ある意味非常に共産主義的な風土とも言える。
また、労働問題は景気回復と経済成長で解決できるという安易な考えがはびこっている。そのためそれまでは努力と根性で耐えろとブラック企業的発想になる。だがそうやって労働にしがみついても、得るものは少ない。
世界史をながめると、農村の崩壊は、より増産するために「囲い込み」が発生し、共同体で一緒に農地を管理し収穫を公平に分けあう原始共同体が解体されたことによる。これによって農家はただの農業事業者になり、食えない者は都市労働者に転じた。労働は人を救わないのである。

「資本主義の自滅」への2件のフィードバック

  1. 欧米と決別するべきでしょう。
    そもそも維新は西洋列強から国を守るために行われたのだから、それが無くなった今では欧化政策の必要性も消滅したと言えるのでは。
    いつの間にやら日本も反共の一員として扱われているものの、共産主義も資本主義も元は欧米のものではないですか。
    アジアが植民地から解放されたのに精神の方はいつまでも奴隷のままなんですよね、結局。

  2. @名も無き道民さん
    コメントありがとうございます。
    まさにおっしゃられるとおりです。
    戦前の一部には資本主義でも共産主義でもない第三の道を追求する気概がありました(成功しているかは評価の分かれるところかもしれません)が、戦後はそうした意欲もなくなり、冷戦下の一衛星国に堕してしまいました。

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