商人ナショナリズムを打破し、土と太陽に帰れ


現在の国家の仕組みは、グローバル資本に都合の良いように作り替えられている。FTAなどの自由貿易協定しかり、マニュアル化、機械化、AI化する労働しかりである。こうした資本の動きに対抗するには、資本の論理によらない部分を守り育てていくよりない。国の伝統であるとか、共同性であるとかは、そういう観点からも見直されるべき存在だ。

現在の右翼は、反共反中反韓一点張りで、そのためなら権力ともつるむことに痛みも感じない、ただの堕落したちんどん屋にすぎないが、戦前及び一部戦後の右翼には、むしろ現代に通じる深い問題意識があった。

大東塾の影山正治は岸内閣の日米安保に反対し、警官隊との衝突で亡くなった樺美智子を、「彼女こそ日本のために亡くなった愛国者だ」と哀悼の意を表した。
津久井龍雄は共産中国に赴き、共産中国を一定程度評価する『右翼開眼』を著したりした。背景には、占領政策や政権与党に迎合する戦後右翼の思想的不毛に対する不信感があった。津久井は左派とも語り合い、その活動事務を支えた人の中には、日本共産党員もいた。超党派で訴えていたのだ。この姿勢は後に鈴木邦男などに受け継がれていく。ちなみに『右翼開眼』を出版したのは、後にラジオ関東社長となる遠山景久の経営する拓文館であった。
日本共産党がソ連や中共との関係を断ち独自路線を進めていることを指摘するまでもなく、日本の左派もまた愛国者であった。特に戦前の左派はそうであった。幸徳秋水、河上肇、岩佐作太郎など、名前を挙げればきりがない。
政権が垂れ流す商人的ナショナリズムに騙されてはならない。それは権力を重んじ、歴史や伝統、文化を軽んじるものだ。安倍政権になって靖国神社にも行かない、拉致被害者も帰ってこない、憲法改正は意味不明な加憲論、やったのはTPPや安保法制だ。これで安倍総理が「保守派」と言える神経を疑う。安倍総理は野党と同レベルかそれ以下の愛国心しか持ち合わせていない人物である。心にあるのは己の保身だけだ。
人間は経済によって生かされ、何程かをなそうとする存在なのであって、経済に使役されるだけの存在ではないはずだ。土と太陽とともに生きた、古き良き世界観を取り戻すのだ。すべてはそこから始まる。

「商人ナショナリズムを打破し、土と太陽に帰れ」への4件のフィードバック

  1.  土と太陽に生きる。まさに人間の本源的な生き方であり、保守を名乗るならば日本の風土に立脚しなければなりません。
    保守を自認していながら都会でサラリーマンをしている人間はさっさと仕事を辞めて、農業など第一次産業に帰り、田舎に根を張るべきですね。
    現在、新型コロナの影響で外国人技能実習生が来ず農業は人手不足の様子。これは好機です。
    サービス業など第三次産業に属する人々も仕事を失うでしょうから、彼らもまとめて農業に従事させれば宜しいのではないでしょうか。
    世界各国でも農業被害が深刻で、食料生産国でも輸出制限をかけているようですし、日本も今後は自律的な農業を目指していかなくてはなりません。
    安倍総理の保身的な姿勢を匡し、資本主義の鎖を断ち切り大業を成すには、国士たる者は己の保身や薄汚い損得勘定を捨て去り、模範を示すべきでしょう。

  2. >>3
    わたしも都会でサラリーマンをしている人間であり耳が痛いです。
    一方でアグリビジネス化したいまの農業に果たして参入するほどの価値があるのか、悩ましい限りです。

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