「明治百五十年」プロジェクトに異議あり。


安倍内閣が来年の明治維新百五十年に向けて進めている「明治百五十年」プロジェクトに異議あり。「明治維新百五十年」ではなく敢えて「明治百五十年」と呼ぶ時点で嫌な予感がしたが、東大教授の山内昌之氏による同プロジェクトの解説は噴飯ものだ。そこでは明治維新の意義が、幕藩体制から近代国家への転換という皮相な側面に矮小化され、王政復古による神武創業への回帰という本質的な意義が完全に没却されている。しかも、山内氏は、明治百五十年で特筆すべき点として、韮山反射炉津田梅子を持ち出して豊かな地方性や女性の活躍を強調し、甚だしきは、近代化の為にお雇い外国人から受けた「恩」を説くなどしている。これは明らかに、目下安倍内閣が進めている地方創生や女性の働き方改革、新自由主義改革を正当化するために明治という時代を利用しようという目論見が透けて見える。曲学阿世とはこの事だ。安倍内閣礼賛の為の記念事業ならやらない方がましだ。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/meiji150/dai1/gijisidai.html

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