「国家戦略特区」に乗じた加計学園への利益誘導が問題なら、「郵政民営化」に乗じたアフラックへの利益誘導は百倍問題である。我が国の公的ネットワークである郵便局で、「アメリカン」ファミリー生命が独占的にガン保険を販売するのは、国家による外資への巨大な利益誘導、対米従属の権化以外の何物でもない。日本郵政とアフラックの「事業提携」は、TPP交渉の負の遺産である。日本郵政はそもそも日本生命と事業提携しており、郵政グループにはかんぽ生命も存在する。しかし、政府はTPP交渉での手土産として、アメリカに郵便局でのガン保険販売利権を供与し、その為に日本郵政は日本生命との事業提携を反故にし、かんぽ生命は自社商品の開発を断念した。アフラックは、我が国に対し、「政府出資の日本郵政のガン保険は民業圧迫だ」と主張したが、アフラックこそ民業圧迫だ。政府による郵政民営化によって、自国企業の公正な競争が阻害され、国民資産が外資の食い物にされている。この巨悪こそ問題とされるべきだ。