トランプが我が国の金融緩和を円安誘導の為の為替操作だと非難しているが、ならば我が国は、今後の日米為替相場が円高ドル安で推移していく先を見越して、今の内にドル建ての外貨資産を漸次売却し、資産価値の目減による巨大損失のリスクを回避すべきである。過去に我が国は、2007年から11年までの間に、米国債を39兆円も買い増した一方で、急激な円高により54兆円もの巨大損失を計上している。その後円安に戻ったお陰で損失は消えたが、今後の円高リスクに備えて、政府は外貨準備のポートフォリオを多様化しておくのが賢明である。我が国の外貨準備は約1.3兆ドルであるが、その大半を米国債で保有しているのに対して、中国の外貨準備は約4兆ドルもあるなかで米国債は1.2兆ドルである。ドル資産への偏重によって、我が国が沈みゆく泥舟であるアメリカと運命を共にする訳には行かない。