安倍首相がトランプに上納する50兆円が、我が国の公的年金(GPIF)から拠出されるとの報道(2日付日経)がなされ、所管の独立行政法人は早速これを否定したようだが、疑いは晴れない。このGPIFは、年金資産の「運用」と称して、実際にはアメリカの株や国債を購入し、日本政府がアメリカに資金を上納するための「隠れ蓑」として利用されかねない。一度米国債を購入すれば、我が国が保有する莫大なドルの外貨準備と同様、アメリカ政府の許可なしに簡単に売り払うことは出来ない。それでいくらキャピタル・ゲインが出たとしても意味がなく、売りたい時に売れなければ「運用」ではなく「上納」と同じである。