結論ありきの政府方針


   天皇陛下学習院時代のご学友である明石元紹氏が、『文藝春秋』本年二月号で、有識者会議の方針に異議を唱えている。氏は、政府が陛下の御譲位に関して、一代限りの特例法で対応しようとしているのに対して、陛下から直々に恒久的な制度化のご内意を告げられた人物である。明石氏は、同じく学習院卒の麻生副総理から紹介された杉田和博官房副長官に面会し、陛下のご内意を伝えたところ、杉田氏から「退位を実現させるには、国民の代表である国会議員の総意が必要です。今上陛下一代限りの退位であれば、合意を取りまとめることができるでしょう。しかし、将来まで含めた恒久的な制度については、国会議員の総意を得るのは大変難しい」と言われたことを明かし、「あのときの杉田氏の態度を思い返すにつけ、有識者会議で専門家の意見を聞いているふりをしながら、実際には政府の方針は初めから決まっていたのではないかと、勘繰らざるを得ません」と述べている。おそらくは実際その通りであろう。

http://gekkan.bunshun.jp/articles/-/2119

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