「売国保守」安倍首相の罪状12


「国家戦略特区」での移民解禁

現行の技能実習制度は、実質的な単純労働力確保の為の移民受け入れ政策であるが、名目上はあくまで外国人材への技術移転による国際協力が目的であった。しかし、目下、安倍内閣による一連の規制緩和政策の中でも、特に昨今の「加計問題」で物議を醸している「国家戦略特区」制度では、家事や介護、農業などの分野における単純労働力の受け入れが解禁され、もはや名実共に公然たる移民受け入れが推し進められている。

政府は少子高齢化を口実として、介護や農業での人材不足を補うためには外国人労働力がどうしても必要であるかの宣伝を行ない、その為の規制緩和を正当化しようとしているが、介護ヘルパーの平均年収は305万円に満たず、国民の平均年収とされる422万円(平成28年)に遠く及ばない。介護人材が足りないというのであれば、介護報酬を大幅に引き上げ、国策で介護職員の給料を上げれば良いではないか。また予算制約があるというが、国民の金融資産は1700兆円を超え、そのうちの6割は60歳以上が保有しているのであるから、介護保険料を引き上、受益者に応分の負担を課せば良いではないか。そうした努力もせずに、移民という安易な解決策に頼るのは政府の怠慢であり、未来への責任放棄である。

同様の事は農業についても言える。政府は、年々減少の一途を辿る農業人口の穴埋めで移民を考えているようであるが、我が国の主要農作物に対する関税率が他の先進国と比べて低く、農家への補助金も少ないことはつとに指摘されている。友人で愛媛に勤皇村を創ろうと意気込む気鋭の若者がいるが、彼らが農業での自活を計画したところ、当地のブランド米である宇和米の生産で1ヘクタール当り年間20万円の収入にしかならず、補助金の支給対象は水稲の場合、12ヘクタール以上の農家に限られていると聞いた。しかし、我が国における農家の平均耕作面積は2.41ヘクタールに過ぎないのであるから、実際補助を受けられるのは一部の大規模農家か農業法人に限られているとうう事である。これでは我が国の若者が農業で生計を立てられる筈がなく、離農が進むのは当然の帰結ではないか。外国人に農業をやらせる前に、まず我が国の零細農家を国がしっかり保護して生計の道筋を示すのが急務である。しかるに安倍内閣はTPPで、タダでさへ低い関税率を更に引き下げ、補助金の支給を困難にする政策を企てた。幸い未遂に終わったが、我が国の農業を破壊する売国的暴挙である。自ら農業を破壊する政策を推し進めながら、その結果を指して、農業人口が足りないから外国人を受け入れようとするのは本末転倒、自己欺瞞も甚だしい。

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