我が国が真の独立、完全なる主権を回復する為には、日米安保を終了し、核抑止力を担保とした、非同盟・中立外交による「栄光ある孤立」政策を国是に据えるべきだ。
周知の様に、我が国は、52年のサンフランシスコ講和発効によって表向きの独立を回復したが、それ以降も、日米安保によって米軍の駐留が継続し、半主権国の状態が続いてきた。日米安保の運用は日米地位協定によるものとされており、日米地位協定は、在日米軍の区域や施設に関する規定は、日米合同委員会で決定されることになっている。しかし、この日米合同委員会は、議事録や合意文書が原則非公開であり、同委員会で決定した日米合意は国会での承認を必要としないため、軍事的対米従属の根拠を成す数多くの密約が結ばれる装置と化して来た。なかでもその最たるものは、裁判権密約、基地権密約、指揮権密約の三大密約である。裁判権密約とは、米軍関係者が日本の法律で裁かれない、いわゆる治外法権を認めたものであり、基地権密約とは、米軍が日本の国土全体を自由に使用することを認めたものであり、そして指揮権密約とは、戦争になっなら自衛隊は米軍の指揮の下で戦うというものである。何れもアメリカにおける外交文書の公開で明らかになった。現行の日米安保や地位協定では、両国の関係が対等なものとされ、例えば基地についても、我が国の同意が必要であると書かれているが、その裏では日米間の密約によってこれらの同意権が留保され、実質的には独立前と同じ米軍による占領体制が継続している。これらの密約は、選挙による政権交代が実現しても官僚機構そのものが変わらない限り、主権者の意思を超越して永続する。それは民主党による政権交代が証明した。