日本国体学会機関雑誌『国体文化』平成28年11月号(11月1日発行)で、拙著『GHQが恐れた崎門学』の書評をしていただいた。原田伊織・大宅壮一の両氏を批判した補論について、以下のように評していただいたことが、特にありがたい。
〈…「近代日本が道を誤った根本原因は、明治維新だった」と書き連ねる原田伊織の『明治維新という過ち』『官賊と幕臣たち』『大西郷という虚像』といった一連の著作がブームのようだ。「長州テロリスト」と「徳川テクノクラート」の対決図式に基づき、倒幕勢力の暴力・残虐性を殊更に強調したあげく、明治維新を「大義なき権力奪取」と全否定する。
近代化の歩みには批判すべき点もあるが、原田は何故かくも「日本」の正統を恢復しようとした先人を敵視し、悪しざまに罵るのか。〈原田伊織『明治維新という過ち』批判序説〉を〈補論〉として掲げた著者は、原田と『実録・天皇記』の筆者である大宅壮一の心理を重ね合わせ、原田伊織を「大宅壮一の亡霊」と位置づけている。今後も出て来るであろう「原田伊織的なるもの」に対する根本的な批判にもなり得る。…〉