本日平成三十年一月二十日、稲村公望氏と菊池英博氏による「郵政国営化に舵を切れ」と題する講演会に参加した。講演の内容は両氏の共著『郵貯マネーはどこへ行った』の内容に内包されていたので、此処では述べない。ただ小生から二点程質問したのは、第一に、郵政の「国営化」とは如何なる内実を指すのか、国が郵政の株を持つという事か、第二に、郵政マネーは財投や国債購入による公共投資の原資とされたが、これに代わって日銀が国債を買い続ければ良いのではないか、という事であった。これに対しては、まず稲村氏、旧郵政公社は独立採算で税金はびた一文使ってはいなかったこと、つまり最初から国営ではなかったこと、郵政の国営化は必ずしも必要ではなく、郵政の民営化が私物化と化している事に問題があるとの考えであり、菊池氏は、株主の利益、配当を優先するのかという問題だと述べられた。また第二について、菊池氏は、日銀の国債購入は金融政策でも何でもない、極めて亜流であり、バーナンキは13年夏にマネタリーベースが名目GDPの20%を超えたことへの責任で14年に辞任したが、目下の日本ではGDPの80%に達しており、その内買えなくなる、との回答であった。