森友問題の再燃で安倍政権が危機的な局面を迎えているが、あらゆる安倍批判をすべて左翼の陰謀と思い込んで排撃し、安倍内閣の延命自体を目的化した妄信的安倍信者にも、公文書改ざんの発覚で鬼の首を取ったように狂喜乱舞し、倒閣自体を目的化した腐れリベラルのどちらにも与すべきでない。たしかにいまの政局で安倍首相以外に誰がいるかと言われれば、「日本独立党」と言う以外に適当な答えが見当たらない。しかし現実問題そんなことを言っても戯言にしかならない。残念ながら、安倍首相の「保守」は「エセ保守」であるが、自民党の他の総裁候補は「保守」の看板すら掲げていない、論外だ。立憲民主党は、新自由主義反対など、部分的には賛成できる点もあるが、そもそも尊皇心の欠片もない連中であるから、共産党と同じく国家の敵、論外である。つまり誰もいない。ということは安倍首相しかいないということを残念ながら認めざるを得ないのである。しかしそれは、安倍首相を甘やかしてもいいという理由にはならないのであって、安倍首相しかいないからこそ、しっかりしてもらわねばならない、ということなのである。
明治の時代、頭山満という凄い人間がいた。頭山は無位無官、在野の浪人の立場でありながら、日露開戦を躊躇する伊藤博文の家に上がり込んで、不意に「伊藤さん、日本で一番偉い人はだれですか」と問を発し、困惑する伊藤に対して、「それは畏くも天皇陛下におわしますでしょう。」と言い、「ではその次に偉い人間は誰か、それはあなたでしょう。そのあなたが、この際しっかりして下さらんと困りまずぞ!」といって凄みをきかせたので、伊藤は度肝を抜かれて返す言葉もなかったという。頭山が率いた玄洋社からは、屈辱的な条約改正案を阻止するため、外務卿大隈重信に爆弾を投げて自決した来島恒喜など、皇国のために身を殉じた多くの志士が輩出した。いまの日本に必要なのは、頭山であり、来島であり、玄洋社の様な、政府を叱る真の保守だ。