平成26年6月26日の参議院厚生労働委員会での福島みずほ氏の追及。
○福島みずほ君 せっかく障害者権利条約を日本は批准して地域で暮らすと打ち出したわけですから、精神病院の中で、そこに新たに補助金立ててそこで暮らすというのではなく、地域で暮らせるように厚生労働省はやっていただきたい。七月一日、また審議会があると聞いておりますが、ゆめゆめこんなへんてこりんなものを導入しないように強く申し上げます。
次に、ホワイトカラーエグゼンプションは産業競争力会議が執拗に推進しておりますが、中でも有力な旗振り役が、長谷川閑史武田薬品工業代表取締役と竹中平蔵さんです。これこそ、安倍内閣が成長戦略と位置付けている中で、これは今大問題になっております。また、戦略人材派遣会社大手の取締役会長は、利益相反の観点から雇用規制に公平公正な立場とは到底言えません。この二人は産業競争力会議委員として不適格ではないですか。
○大臣政務官(小泉進次郎君) 先ほど足立先生からも御指摘をいただいた点と同じ論点だと思いますが、この産業競争力会議は一企業の利益を追求するための場ではありません。産業の競争力の強化をどうやって高めていけるのかと、そういった観点から、国際展開、そして成長戦略、そういったことを御議論をいただいている場でありますので、一議員の偏った意見、また思いで偏った結論に導かれることはないと、そういうふうに考えております。
○福島みずほ君 偏っていますよ。
竹中さんは、二〇一三年三月十五日の第四回産業競争力会議において、雇用調整助成金を大幅に縮小して労働移動に助成金を出すことは大変重要、是非大規模にやってほしい、今は雇用調整助成金と労働移動への助成金の予算額が千対五ぐらいだが、これを一気に逆転するようなイメージでやっていただけると信じていると発言しています。
この発言内容は現実となり、解雇回避のための雇用調整をした事業主を支援する雇用調整助成金は、二〇一三年度の千百七十五億円から半額になり、一方、転職する場合の費用などを助成する再就職を誘導する労働移動支援助成金は五億七千万円から三百一億円に増加をしています。竹中さんが言っているとおり、あるいは自分がやっているところに利益誘導しているではないですか。
自衛隊員の再就職の支援におけるパソナなど人材派遣会社の役割、契約実績、平成二十四年度と平成二十七年度の四年間で、パソナがやっていて六億四千八百万円ということで、防衛省、よろしいでしょうか。
○政府参考人(豊田硬君) お答え申し上げます。
先生御指摘のとおり、防衛省におきましては、任期制自衛官の再就職支援の一部を民間委託しているところでございますけれども、平成十九年度から平成二十三年度までは別の会社でございましたが、平成二十四年度以降は株式会社パソナに委託し、契約額は約六億四千八百万円でございます。これは四年間分を一括して契約したものとなっております。
○福島みずほ君 国家公務員の早期退職募集制度に伴い、パソナが一社独占で再就職支援民間企業に選ばれております。これは、二〇一四年予算は五千百八十四万円に膨らんでいるということでよろしいですね。
○政府参考人(小河俊夫君) お答え申し上げます。
内閣府官民人材交流センターにおいて実施しております再就職支援でございますが、早期退職募集の希望者に対しまして、そのうち再就職支援を希望する者に対して行っているものでございまして、昨年十月から実施しておるものでございます。これにつきましては民間の再就職支援会社を活用したものでございまして、この会社につきましては、二十五年度及び二十六年度、それぞれ入札を行いまして決定したものでございまして、いずれも株式会社パソナに委託し、実施しておるものでございます。
○福島みずほ君 パソナはすごい食い込んでいるじゃないですか。国家公務員の早期退職募集制度、それから自衛隊員の再就職の支援、やっているんですよ、こういうのを。しかも、自分たちが言って、ビジネスチャンスが広がるような方向で産業競争力会議でやっている、これは全く不適格だと思います。
大臣、これ衆議院でも聞かれておりますが、大臣は、大臣として、大臣のときに、去年二月、パソナの迎賓館、仁風林に行って講演をされていますね。南部社長と面識があるので講演をしたということなんですが、講演は、タイトルは何なんですか。
○国務大臣(田村憲久君) 社会保障に関してだったというふうに認識いたしております。ゲストスピーカーとして講演をさせていただいた記憶があります。
誤解を招かないように申し上げておきますが、一切、私、パソナから政治献金、パーティー券購入していただいておりません。南部さんとは顔なじみではありますけれども、それほど深いお付き合いということでもございませんし、そのとき来られた方々は、マスコミ関係者でありますとか、大使館の方々もおられました。他党の元国会議員の方々もおられました。そういう意味では、決して、何かいかがわしく思っておられるとすれば、そういうことはない会でございますので、御理解いただければ有り難いというふうに思います。
○福島みずほ君 でも、李下に冠を正さずとあるじゃないですか。派遣の問題は去年二月、委員会でもすごく論争がありました。派遣法を、しかも通常国会に出して廃案になりましたけれど、またパソナが産業競争力会議で、しかもいろんな業界に食い込んでいると。
私は、今日、小泉政務官が答弁されたけれど、武田薬品の長谷川さんも竹中平蔵さんも不適格だと思いますよ。少なくとも、不適格だと思われているにもかかわらず、こういう人たちに旗振り役をさせて雇用を壊したら駄目ですよ。ホワイトカラーエグゼンプションは年収千万以上というけれど、彼ら、年収千万以上の人は結構残業をたくさん……
○福島みずほ君 はい。
残業をしております。この間、過労死防止推進法が成立しましたが、代表の寺西さんの夫は飲食店チェーン店の店長さんですよね、そして中原さんの夫は小児科医、そしてある方の息子さんはIT、ホワイトカラーでみんな亡くなっているんですよ、過労死で。ホワイトカラーエグゼンプション、産業競争力会議、この人選はしっかり、国民から支持得ませんよ、こんなことやっていたら。ということを申し上げ、私の質問を終わります。