第三回「『保建大記』を読む会」開催報告


   平成二十九年四月一日、浦安で崎門研第三回保建大記の勉強会を開催した。当日は折本代表、坪内顧問をはじめ有志九人が参集した(二名スカイプによる参加)。前回に引き続き谷秦山の保建大記打聞(テキストは杉崎仁編注『保建大記打聞編注』を使用)を読み進めた。今回は、同書九ページから二十五ページまで輪読した。
   内容としては、潜鋒は三種の神器がある方を以て正統としたが、三宅観瀾は道理の正しい方を正統とした。
また我が皇室が開闢以来一系で替わらず、なおかつ代々君徳も涵養されてきたと賛美し、平清盛や源頼朝など臣下が不忠を働いた例だが、三種の神器に食指を伸ばさなかったのは良いことだと述べている。一方で中世以降綱紀が緩まり武家政権が代々続くことになってしまったのは悲しむべきことだとしている。そうなってしまった由来の一つに後白河帝が兄にもかかわらず弟の後を継ぐことになるなど長幼の道理に背いたことで保元、平治の乱を招いたことを指摘している。また、保建大記は八条親王にたてまつるための文章だったので、八条親王の英邁さを称える箇所もあった。
次回は五月六日同じく浦安で開催の予定。
(記:事務局 小野)