第六回『保建大記』を読む会開催報告


平成二十九年七月二日、浦安で崎門研第六回保建大記の勉強会を開催した。当日は折本代表をはじめ有志五人が参集した。前回に引き続き栗山潜鋒「保建大記」を理解するため、谷秦山の「保建大記打聞」(テキストは杉崎仁編注『保建大記打聞編注』を使用)を読み進めた。今回は、同書五十五ページから六十五ページまで輪読した。前回までで序論が終わっているので、今回から前回までの内容をより詳しく論じる形となる。
 
内容としては、まず崇徳上皇側と後白河天皇側の小競り合いがあったことに触れて、潜鋒の議論は尊皇の在り様に移る。わが国はシナとは違いどちらも天日嗣による争いであるが、その場合臣下としてどちらをお支えすればよいのであろうか。それは三種の神器を擁する天皇方であるという。後鳥羽天皇や南北朝の際の北朝の天皇など、三種の神器を擁しない帝には問題があるという。特にそれをお諌めしなかった当時の摂関家をはじめとした群臣は罪が重いとしている。また、本日の輪読個所では谷秦山による難解ではあるが詳細な神器論が展開されている。
なお、今回も終了後懇親会を行った。次回は八月六日同じく浦安で開催の予定。
(記:事務局 小野)