尊皇討幕のバイブル、『靖献遺言』を読む会
『靖献遺言』は、山崎闇斎先生の高弟である浅見絅斎先生(一六五二年~一七一二年)の主著ともいうべき作品であり、崎門学の必読書です。本書は、貞享四(一六八七)年、絅斎先生が三十五歳の時に上梓し、君臣の大義を貫いて国家に身を殉じた屈平、諸葛亮、陶潜、顔真卿、文天祥、謝枋得、劉因、方孝孺等、八人の忠臣義士の略伝と遺言を編纂しております。絅斎先生は、本書に登場する八人の忠臣義士に仮託して君臣内外の名分を正し、尊皇の大義を説きましたが、こうした性格を持つ本書は、その後、王政復古を目指す尊皇討幕運動のバイブルとして志士たちの間で愛読されました。なかでも、橋本左内などは、常時この『靖献遺言』を懐中に忍ばせていたと言われ、尊攘派志士の領袖として討幕の端を開いた梅田雲浜は、交際のあった吉田松陰から「『靖献遺言』で固めた男」とも評されました。かく評した松陰自身も野山獄でこの書を読み感銘を受けています。
これまで『靖献遺言』を読む上で最良のテキストは、近藤啓吾先生の『靖献遺言講義』(国書刊行会)を措いて他にありませんでしたが、同書は絶版の上に高価であり入手が困難でした。しかし、このたび皇學館大学の松本丘先生の再編集によって講談社学術文庫から同書が再刊されたことで、読者の広汎な拡大が期待されます。特に今年は崎門学の学祖、山崎闇斎先生の生誕四百年でもあり、崎門学の必読文献である『靖献遺言』への注目もまた一層高まることでしょう。
そこで弊会では、月例の勉強会として、以下の要領で『靖献遺言』を読む会を開催し、崎門学への理解を深めると共に、絅斎先生が本書に仮託した尊皇斥覇の現代的意味について考えたいと思います。つきましては、多くのご参加をお待ち申し上げております。
なお、今回は第二巻の顔真卿を読む予定ですが、理解を深めるため、現在上野国立博物館で開催中の「顔真卿展」を鑑賞した後、近くの会議室に場所を移して開催致します。勿論読書会のみの参加も結構です。当日の詳細は以下の通りです。多くの御参加をお待ち申し上げております。
記
日時 平成三十一年二月三日(日曜日)
第一部 顔真卿展(https://ganshinkei.jp/)鑑賞(午前十一時半から午後一時頃まで)
ご参加の方は、午前十一時JR上野駅上野公園口前集合
第二部 『靖献遺言』を読む会(午後二時から午後五時)
会場 東京都台東区上野7-3-9 アルベルゴ上野420(https://www.spacee.jp/pre_bookings/share/2d0e5b72-50fa-4fb8-b7d4-ab5dbc8ef582)
テキスト 『靖献遺言』(講談社学術文庫)。各自ご持参下さい。
連絡先 折本龍則(orimoto1@gmail.com、09018471627)
スカイプでの参加も受け付けます。
各位
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