「出口王仁三郎」カテゴリーアーカイブ

「出口王仁三郎生誕150年記念セミナー」を開催(令和3年11月27日)

『維新と興亜』は、下記の通り「出口王仁三郎生誕150年記念セミナー」を開催いたします。

■日 時 令和3年11月27日(土) 15時~17時
■会 場 東京都台東区東上野3-14-12 302号室
■報 告 「蘇れ!アジアの巨人・王仁三郎」(坪内隆彦)
「皇道経済の先駆者・王仁三郎」(小野耕資)
■主 催 『維新と興亜』

参加申し込み mail@ishintokoua.com
「出口王仁三郎生誕150年記念セミナー」

大石凝真素美「天地茁廴貫きの巻」

 大石凝真素美の「天地茁廴貫きの巻」について、大宮司朗氏は次のように書いている。
 〈本書は明治三三年一一月、翁六七歳の時に脱稿したもので、前著の『弥勒出現成就経』の成立時から既に一〇年の年月を経過している。この間に『成就経』にすでにみられる「ス(○の中にヽ)の思想」、宇宙の四元素としての「天・火・水・地」を表象する天津金木の学がより深められ結実したのである。とはいえ伝記によればその草稿は少くとも明治三一年にはほぼ成っていたらしい。
 なお本書は大正一二年に国華教育社版全集として活字になる以前に、すでに大本教の人々によって書き写され珍重されたことは、当時の関係者の言によっても、筆者の手元にある『神言聖辞』とは題するが同内容の写本からも窺える。実はこの書の内容の大略は、大本の出口王仁三郎氏が大正七年に機関紙『神霊界』大八洲号において本田霊学をも組み入れた形で紹介しているのである。
 本書の内容は初めにス声の玄意について説き、次に天之御中主神、高御産霊神、神産霊神、「タカアマハラ」六声の秘解、次に至大天球中の修理固成、魂線、識心、三貴子の御出生、皇国日本に人類が造醸せられたる極元、四種の人種のいわれ、種姓の厳立、産霊の玄義、大宇宙たる天地と小宇宙たる人体の玄妙なる相関関係、天地自然の大度量衡を説示し、次に至大天球之中の御樋代である正方角体六合八角切り表面並びに裏面の真位、更には天津金木の神器の製作法を述べ、金木組立てによる八咫の鏡、十六紋菊図章、四季正調御年車に言及する。実にこの書には大石凝霊学の根源となる重要なる諸概念が悉く織り込まれ、圧縮凝集せられている。ために一読、不可解、難解の感を通常の人は免かれることはできない。しかし、再読、三読せられれば、誠に奥深き翁の霊学への糸口を見出し、他の翁の著作を理解し、応用していく上で大きな助けになるものと思われる。
 なお本書で特に注目して頂きたいことは、神道系諸教団に量り知れない影響を与えたスの思想がはっきりとその全容を闇霧の中より現出してきたことである。
 「此ス声の神霊を誠に明細に説き定る時は世界一切の極元の真体をも其成り立ちの秩序をも億兆万々劫々年度劫大約恒々兮大造化の真象をも逐一明に資り得らるる也。……中略……スの謂れを明に知らざればあるべからざる也。スが皇の極元なれば也」〉(「大石凝真素美全集解題」)

大本開祖出口なおと本田親徳の邂逅

 大本開祖出口なおの天職を見ぬいた人物こそ、本田親徳翁であった。大正9年に服部静夫が著した『大本教祖出口直子伝』(明誠館)には「本田親徳翁の眼識」と題して、次のように書かれている。
 〈今の綾部町皇道大本の境内の一部に石の御宮と称する一区画がある、これぞ綾部町字本宮坪の内の元屋敷で、刀自(出口なお)は其の昔其処にささやかなる茅屋を建てゝ、貧苦と戦つて生活をしてゐた、明治二十一年三月即ち刀自が神懸り以前の事であつたが、或る日所用のため隣郡船井郡鳥羽村はづれの八木島の手前まで差掛つた時、途上に異様の風をした一人の老翁と遭遇した事があつた、其の翁は不意に刀自に向つて最も荘厳な口調にて、先づ敬神の必要から説話し始め、刀自が変性男子の霊性を具備してゐることや、尚八人の子女の母であることまで看破して、後年必ず重大なる天職の任命が下る時期の来る事など淳々と述立られたので、最初刀自は奇意の思に駆られて、其の意の何たるかをを、半信半疑で其の返答にさへ煩つた、挨拶もそこそこ其の儘立ち別れて仕舞つた、此の異様の人物こそ後年に至つて実に本田親徳翁であつた事が判つた〉

出口王仁三郎の租税制度廃絶論

 日本企業の国際競争力強化という美名のもとに、大企業優先の税制を是認することが、國體観念に合致するのか。そもそも國體に合致した税のあり方とはいかなるものなのか。それを考える上で、大正から昭和初期に皇道経済論を称揚した出口王仁三郎の租税制度廃絶論には見るべきものがあるのではないか。
王仁三郎は、昭和9年10月に刊行した『皇道維新と経綸』(天声社)において、次のように書いている。
 「皇道維新の要点は皇道経済の実施であり、租税制度の廃絶である。元来租税制度なるものは御國體の経綸的本義で無い事は、御遺訓の明白に的確に証明し給ふところである。租税徴収は実に蕃制の遺風であつて、又金銀為本を以て富国の要目と為し、生存競争を以て最終の目的と為す大個人主義制度である。然るに皇国の経綸制度なるものは、実に世界万民の幸福を目的とし給へる国家和楽の国家家族制度である。故に昭和の御代は、古今の汚らはしき租税徴収の悪性を根本より廃絶する事が神聖なる大日本天皇の御天職に坐します所の、経世安民の経綸を始めさせ給ひ、皇道経済を施行し給ふ第一歩たるべきものである」