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日立市立市立記念図書館が「瀬谷義彦氏寄贈図書展示コーナー」を設置


 日立市立市立記念図書館(同市幸町)は、平成28年12月1日に「瀬谷義彦氏寄贈図書展示コーナー」を2階参考図書室に設置した。日立の郷土研究のみならず、水戸の尊皇攘夷運動、水戸学の研究に寄与することになりそうだ。
 瀬谷氏は、大正3年に茨城県多賀郡鮎川村(現・日立市)で生まれた。茨城県立日立中学校(現・茨城県立日立第一高等学校)教諭、水戸中学校(現・茨城県立水戸第一高等学校)、茨城師範学校教授、多賀工業専門学校教授を経て、茨城大学教授に就任した。定年退官後は、茨城キリスト教大学短期大学部教授、茨城キリスト教大学教授を務めた。

 瀬谷氏は、茨城県の地方史研究の第一人者として、歴史資料の保存・研究・人材育成・交流に尽力した。昭和34年に瀬谷氏が執筆、監修した「日立市史」は、茨城県内初の自治体史となった。平成18年には名誉市民に選ばれている。
 一方、水戸学研究としては、『水戸学の史的考察』(東京中文館、昭和15年)などがあり、『日本思想大系〈53〉水戸学』(昭和48年)には、解題と「水戸学の背景」を書いている。
 同図書館によると、生前に寄贈の申し入れがあり、約1800冊の資料が寄贈された。
 『毎日新聞』(2016年11月28日地方版)によると、職員4~5人が7カ月間かけて、月に2回ほど瀬戸氏の自宅を訪問し、本棚の中から本を選定した。職員は「台所と応接間以外は本棚だらけで、その中から本を選ぶのに苦労した」と振り返っている。
 瀬戸氏は、2015年11月20日に逝去された。101歳だった。12月15日には、市葬が同市の市民会館大ホールで営まれ、葬儀委員長の小川春樹市長が「本県の地方史研究の第一人者として歴史資料の保存、研究に尽力され、自治体史の編さんに大きな足跡を残しました。数々の功績に対し敬意と感謝の意を表します」と追悼の言葉を述べた。