今年は明治維新百五十年の節目である。政府を含め記念事業が予定されているが、この祝賀ムードに水を差すかのように、原田伊織なる人物の『明治維新という過ち』を始めとする一連の著作がベストセラーなっているという。原田氏は、著書で明治維新を薩長の権力奪取の為のクーデターと断じ、維新に功労のあった吉田松陰や久坂玄瑞をテロリスト呼ばわりしている。薩長の牛耳る明治政府が、明治維新本来の理想から乖離し、西南戦争やその後の昭和維新運動に繋がっていったのは事実であるが、本来の明治維新そのものの意義を全否定する言説がこの期に及んで流布している現状は実に嘆かわしい。私人の言説とはいえ、その影響力を考えると到底看過できない。
http://www.news-postseven.com/archives/20151117_364288.html?PAGE=1#container
昨年末、安倍首相が不自然なくらい大急ぎで成立させたカジノ法案の背後にはやはりアメリカの圧力があった。この在日米国商工会議所(ACCJ)はアメリカによる対日侵略の手先であり、とんでもない内政干渉機関である。奴らがアメリカ政府や国際金融資本と連動し、「意見書」と題して我が国政府に突きつけた対日要求には、カジノ法案の他、農協改革やマイナンバー制度、外国人労働者の受け入れなどが含まれる。カジノ法に関する「意見書」では、入場料無料化や24時間営業、消費者金融のATM設置などが要求されているが、貧乏人に借金までさせて一日中賭博に興じさせるつもりか。アメリカの侵略断じて許すまじ。
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-14611.html
トランプは、アメリカが他国との同盟関係で一方的な負担を背負わされていると主張しているが、少なくとも日米関係について言えば、その認識は二つの点で間違っている。
第一に、戦後の日米関係は、我が国がアメリカに基地を提供する代わりに、アメリカは我が国に豊沃な国内消費市場を開放するという相互主義に基づいて来たからだ。したがって、アメリカが保護主義によって日本からの輸入を制限するならば、我が国がアメリカにこれ以上基地を提供する義理はない。
第二に、八十年代以降、アメリカは累積した貿易赤字を補うために、貿易相手国の金融市場を自由化し、貿易によって失ったドルを金融で取り戻す政策を続けて来た。それは我が国に対しても、日米構造協議や年次改革要望書における露骨な金融市場自由化圧力となって現れたのである。安倍首相の未遂に終わったTPPも、眼目は金融市場の自由化であった。したがって、もしアメリカが保護貿易を敷くならば、我が国はこれ以上アメリカによる金融市場の自由化要求に応じる義理もない。
このように、トランプの「アメリカ第一主義」は、日米関係に関する限り、我が国がアメリカへの基地の提供を終了し、アメリカを中心とする国際金融資本から自国産業を防衛する論理的な根拠を与えるものである。
『保建大記』は、崎門の栗山潜鋒(一六七一~一七〇六)が元禄二年(一六八九年)に著した書であり、『打聞』は、同じく崎門の谷秦山が『保建大記』を注釈した講義の筆録です。崎門学では、この『保建大記』を北畠親房の『神皇正統記』と並ぶ必読文献に位置づけております。そこでこの度弊会では本書(『保建大記』)の読書会を開催致します。詳細は次の通りです。
○日時 平成二十九年一月二十八日(土曜日)
○場所 弊会事務所(〒二七九の〇〇〇一千葉県浦安市当代島一の三の二九アイエムビル五階)
○連絡先 〇九〇(一八四七)一六二七
○使用するテキスト 『保建大記打聞編注』(杉崎仁編注、平成二一年、勉誠出版)
安倍政権の今年度予算で、軍事費が過去最高(5兆1251億円)になった。確かに軍事費の増額は良いことであるが、安倍内閣の場合、何てことはない、単にアメリカへの「思いやり予算」や「基地再編経費」、オスプレイやF35など、アメリカからの高額な兵器購入が増えただけのことである。これでは意味がない。そもそも日米地位協定では、「日本国に合衆国軍隊を維持することに伴うすべての経費」は「日本国に負担をかけないで合衆国が負担する」と明記されているのだから、「思いやり予算」や「基地再編経費」は協定違反である。それにオスプレイは一台100億するが他国は50億で買っている。要は、ぼられているのである。我が国の技術を以てすれば、オスプレイごとき簡単に作れる筈だだ。そのための金ならいくら使っても惜しくはない。
安倍内閣が特例法を推し進めるのは、典範改正が女性宮家や女系天皇の議論に繋がりかねないことを恐れているからだというが、それならば何故、安倍首相は、就任以来五年もの間、男系男子の皇統を護持するために手を打ってこなかったのか。国家の根幹である皇位継承の問題を先送りしておきながら、野党の女系論を理由に、その場しのぎの特例法で対処しようとするのは、忠誠なる態度とはいえない。しかも、「政府・与党内では、民進党が求めている女性宮家創設などの実現について、特例法案の付則などに議論の推進を盛り込むことで折り合う案も浮上している。」(今日読売)という。こんなことになったら最悪だ。首相は「経済最優先」というが、「御皇室最優先」にしろ。
稲田防衛相が導入を検討している最新鋭ミサイル防衛システム、THAAD(最終段階高高度地域防衛)は、全く無用の長物で役に立たない。我が国のミサイル防衛(MD)は、イージス艦搭載の迎撃ミサイル(SM3)と地対空誘導弾(PAC3)からなる。THAADは、大気圏外や大気圏突入直後の上層部で迎撃し、SM3とPAC3の隙間をカバーするシステムで、MDの迎撃能力を高めると言われる。これまで我が国は1兆円をかけてMDを導入したが、MDは導入元のアメリカですら、過去の迎撃実験で一度も成功しておらず、莫大な金がかかる割に実用性の乏しいシステムである。それに、ミサイルの発射情報をアメリカに依存するため、対米従属の強化につながりかねない。たしかに、SLBM(潜水艦発射型ミサイル)等、特定困難な発射地点から、しかも複数のミサイル(おとりを含む)による攻撃を受けた場合、それらを全て撃ち落とすことは現実的に不可能である。しかし、たとえ一発の着弾でも、それが核弾頭を搭載したミサイルであれば、我が国は壊滅的な打撃を受ける。したがって、敵からの核ミサイルに対してMDやTHAADは無力あり、アメリカの軍産複合体を裨益するだけだ。本質的対抗措置は、我が国が先制核攻撃能力を構築する以外にない。
天皇陛下の学習院時代のご学友である明石元紹氏が、『文藝春秋』本年二月号で、有識者会議の方針に異議を唱えている。氏は、政府が陛下の御譲位に関して、一代限りの特例法で対応しようとしているのに対して、陛下から直々に恒久的な制度化のご内意を告げられた人物である。明石氏は、同じく学習院卒の麻生副総理から紹介された杉田和博官房副長官に面会し、陛下のご内意を伝えたところ、杉田氏から「退位を実現させるには、国民の代表である国会議員の総意が必要です。今上陛下一代限りの退位であれば、合意を取りまとめることができるでしょう。しかし、将来まで含めた恒久的な制度については、国会議員の総意を得るのは大変難しい」と言われたことを明かし、「あのときの杉田氏の態度を思い返すにつけ、有識者会議で専門家の意見を聞いているふりをしながら、実際には政府の方針は初めから決まっていたのではないかと、勘繰らざるを得ません」と述べている。おそらくは実際その通りであろう。
http://gekkan.bunshun.jp/articles/-/2119
安倍首相が駐韓大使・釜山総領事を召還したのを褒める意見もあるが、全く称賛に値しない。はじめからこうなることは分かっていた。日韓合意そのものが間違っている。既に1965年の日韓基本条約の時点で、韓国は莫大な経済援助(8億ドル)と引き換えに対日請求権を放棄していたのであるから、安倍内閣は如何なる謝罪も賠償もする必要もなかった。首相自身、法的賠償責任がないことを知っていたからこそ、韓国政府にではなく、飽くまで民間の市民団体に対する道義的賠償という形にしたのである。しかし、日韓基本条約では、個人に対する如何なる賠償も韓国政府が行うことになっているのだから、日韓合意は基本条約違反であるか、さもなくば、基本条約そのものが死文化していると言わざるを得ない。国家間で正式に結ばれた条約がかくも簡単に反故にされてしまうのであれば、日韓合意もまた、政権が変われば反故にされ、また対日請求権が蒸し返されるだろう。また日韓合意は国家が外国の個人に賠償するという悪しき前例を作った。こんなことがまかり通れば、仮に韓国政府によって日韓合意が反故にされなくても、今度は日本政府により日本企業で軍事産業などに従事させられた「徴用工」や、朝鮮半島に残してきた財産処理の問題など、次から次へ新しい個別賠償問題が噴出し、収拾がつかなくなる。盗人に十億円を貸して、返さないことを非難しても仕方がない。貸した奴が悪いのである。
今年は、北朝鮮による拉致問題が発生してから四十年の節目である。かつて保守派のホープと目され、対北強硬論の急先鋒であった安倍首相は、政権に就いてからこれまで何をして来たのか。北朝鮮が拉致問題の再調査を約束したストックホルム合意を履行せず、核開発やミサイル実験を繰り返すたびに「アメリカと協調して毅然たる措置を取る」と言うだけで、現実には無為無策に甘んじて来たのではなかったか。確かに、我が国の特殊部隊が北朝鮮に乗り込んで拉致被害者を強制奪還することは困難である。しかし、邦人拉致という我が国の主権にたいする重大な侵害行為への報復として、朝鮮総連並びにその傘下にある全国の朝鮮学校を解体し、資産没収、総連職員の国外追放等、断固たる措置を取ることは出来た筈だ。アメリカが拉致問題で我が国に協力することは絶対にない。国連が何をほざいても北朝鮮は痛くも痒くもない。他力本願ではなくて、自国の主権は自国で守る、そうした自主独立の気概がないから何も出来ないのだ。
荒木和博氏は言う、「実は今の内閣、安倍さんは拉致被害者を本気で取り返そうという気がないんじゃないかと、残念ながらそう思わざるを得ない。逆に「安倍さんならやってくれるだろう」という安心感、淡い期待感で、拉致被害者に関する運動それ自体が低下している事を懸念しております、国会答弁を聞いても結局アメリカに頼るということが出てきてしまう。そういう内閣ですから、やはり安倍晋三という人に、期待はしても信頼はできないと思っています。これは国民の声で変えていくしかない。「絶対に許せない」という国民の思いが高まってくれば、どういう政権であっても動かざるを得なくなるだろうと思います。」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170103/k10010827571000.html
道義国家日本を再建する言論誌(崎門学研究会・大アジア研究会合同編集)