実は今月2月4日から、チベット亡命政府のロブサン・センゲ首相が来日している。これまで中国は、チベットを侵略・支配し続け、少なくとも1950年から80年までの間に120万人以上ものチベット人が虐殺されたと言われている。しかも中国は、多くのチベット人に対して不法な逮捕勾留、チベット語の禁止、文化財や歴史遺産の破壊を繰り返し、それは今も続いている。
中国はかつて20万人の人口しかなかった南京で30万人が日本軍によって「虐殺」されたと、明らかな嘘を吐いているが、人民解放軍は、600万人いたチベット人の五分の一に当たる120万人を文字通り「虐殺」した。これはナチスのホロコーストにも匹敵する世界史的大虐殺である。その様な非道を現在進行形で行っている中国から、我が国が過去の「侵略責任」を非難されるいわれは些かもない。
我が国のメディアはセンゲ首相の訪日を殆ど報じていないが、中国の悪質な反日プロパガンダに対抗するためにも、我が国はチベットと共闘して「チベット大虐殺」の非道性を世界に発信すべきだ。実は安倍首相もかつて野党時代の12年11月にダライ・ラマ法王と会談し、「チベットの人権弾圧を変えるために全力を尽くす」と約束をしているが、その約束は未だ果たされていない。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2012-11-13/MDEM2B6KLVRI01
和気清麻呂(わけのきよまろ)は、称徳天皇(718〜770)の時代、吉備(現在の岡山)の人です。清麻呂はその性硬直で世人の重んずるところとなっておりましたから、称徳天皇は特に清麻呂を召して大事をお頼みになったのであります。それは如何なる用向きであったかといえば、その当時、僧の道鏡という者があって宮中に出入りして天皇の寵愛を被りましたが、重く用いられて法王になりました時、ある者が道鏡に媚びて、天皇に、宇佐八幡の託宣に「道鏡を皇位に就かしめたなら天下太平になるなるであろう」とのお示しがあったと奏上しました。そこで、天皇は大いに惑い給いて、正直なる清麻呂をして八幡に御旨を伺わしめましたところ、八幡の告げるには「我が国家は開闢以来君臣の分定まり、臣を以て君とすることは未だないのである。天日嗣(あまつひつぎ)は必ず皇胤を立て、無道の者があれば速やかにこれを除かねばならない」というものでした。その時、道鏡は清麻呂に、もし我の思いのままにすればお前を太政大臣にもしてやるが、これに反すれば重い罪科を課すぞと恫喝しました。しかし清麻呂はこの恫喝に屈せず、託宣のままを天皇に奏上したので、道鏡はこれに怒り、清麻呂の姓名を別部穢麻呂と改めて大隅(鹿児島)に流しましたが、ついに天皇は皇位を道鏡にはお譲りになりませんでした。
まもなく称徳天皇がお隠れになり、光仁天皇が即位されると、不臣の道鏡はかえって下総に流され、清麻呂は召し還され、その功を賞して和気朝臣(わけあそん)の姓を賜り、さらに桓武天皇の延暦年中には、山城の地を奏上してそこに都が遷されました。これが即ちかつての平安京、いまの京都の地であります。
今回のアパホテルの一件に関して、安倍首相等、自民党の「自称保守」連中が不気味な沈黙を保っているのはどういう訳か。特に元谷氏は、安倍首相の後援会である「安晋会」の幹部であり政治的同志である筈なのだが、首相はなぜアパを守らない。それに野党時代に、あれだけ威勢よく元谷氏と同じ主張をしていた自民党の「自称保守」は何処に消えたのだ。政権入りしたら従来の主張は引っ込めるなら、最初から主張するな。
南京事件に関わらず、安倍首相の歴史認識に関する答弁には不誠実さを感じる。「従軍慰安婦」ならぬ、「戦地売春婦」の問題に関しても、これまで安倍首相の答弁は終始一貫して「歴史学者の判断に委ねる」であった。しかし歴史は、事実をどう解釈するかの問題であり、その価値判断を下すのは、学者ではなくて政治家の責任である。にもかかわらず、歴史認識の判断を避けるのは、政治家としての責任を放棄しているに等しい。「従軍慰安婦」に関しても、あんなものは、「戦地売春婦」だと、なぜはっきり言えないのか。また、「南京大虐殺」に関しても、あんなものは事実無根だと、なぜはっきり言えないのか。
トランプが我が国の金融緩和を円安誘導の為の為替操作だと非難しているが、ならば我が国は、今後の日米為替相場が円高ドル安で推移していく先を見越して、今の内にドル建ての外貨資産を漸次売却し、資産価値の目減による巨大損失のリスクを回避すべきである。過去に我が国は、2007年から11年までの間に、米国債を39兆円も買い増した一方で、急激な円高により54兆円もの巨大損失を計上している。その後円安に戻ったお陰で損失は消えたが、今後の円高リスクに備えて、政府は外貨準備のポートフォリオを多様化しておくのが賢明である。我が国の外貨準備は約1.3兆ドルであるが、その大半を米国債で保有しているのに対して、中国の外貨準備は約4兆ドルもあるなかで米国債は1.2兆ドルである。ドル資産への偏重によって、我が国が沈みゆく泥舟であるアメリカと運命を共にする訳には行かない。
安倍首相がトランプに上納する50兆円が、我が国の公的年金(GPIF)から拠出されるとの報道(2日付日経)がなされ、所管の独立行政法人は早速これを否定したようだが、疑いは晴れない。このGPIFは、年金資産の「運用」と称して、実際にはアメリカの株や国債を購入し、日本政府がアメリカに資金を上納するための「隠れ蓑」として利用されかねない。一度米国債を購入すれば、我が国が保有する莫大なドルの外貨準備と同様、アメリカ政府の許可なしに簡単に売り払うことは出来ない。それでいくらキャピタル・ゲインが出たとしても意味がなく、売りたい時に売れなければ「運用」ではなく「上納」と同じである。
対米従属でおなじみの安倍首相が、アメリカのインフラ整備に巨額の国費を投じることになった。「慰安婦合意」といい、「対露共同経済活動」といい、この人は外国に金を出すことしか能がないのか。まさに動く「キャッシュ・ディスペンサー(現金自動支払機)」である。なぜ、我が国民の税金をアメリカ国民の雇用創出の為に使わなければならないのか。トランプは文句たらたら言っているが、現在のアメリカの物価上昇率はFRBの目標である2%に近づきつつあり、今年の実質成長率の見通しは2.3%であるのに対し、我が国の物価指数は10ヶ月連続マイナスで、実質成長率見通しは1.0%である。安倍内閣が最優先課題に掲げるデフレ脱却の障害が総需要の落ち込みにあることは明らかなのだから、アメリカにやる金があるなら、先ずは自国の内需創出を優先しろ。アメリカに媚び諂うな。
https://www.google.co.jp/amp/amp.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201702/CK2017020302000121.html?client=safari
トランプが一部のイスラム国に対する難民規制に着手し物議を醸しているが、一方で我が国の難民対策はどうなっているか。入国管理局を所管する法務省のサイトによると、平成27年度における難民認定申請は7586人で、前年に比べ2586人(52%)増加した。この数は、我が国が難民認定制度を開始して以来最多であるという。しかしこの中で、難民に認定されたのは、僅かに27人に過ぎなかった。つまり殆どが、難民でもなく労働者でも旅行者でも留学生でもない、宙ぶらりんな状態で放置され、しかもその数は年々増え続けているということである。しかも彼らは、何処かに拘留されている訳でもなく、普通に街中で生活しているのである。こうした現状を放置すれば、そのうち我が国もアメリカが他人事ではなくなる日が遠からず来るだろう。
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri03_00112.html
「敵基地攻撃能力」の議論は今となっては意味をなさない。この「敵基地攻撃能力」とは、ミサイル攻撃を未然に防ぐため発射前に相手の基地を攻撃できる能力のことであるが、北朝鮮が核弾頭を小型化して潜水艦発射型ミサイル(SLBM)の弾頭に搭載している現在では、ミサイルの在り処を特定し、その発射の兆候を察知することは極めて困難になってしまった。北朝鮮に第一撃を思い止まらせるためには、我が国も核ミサイルを保有して、確実な第二撃能力を構築する以外に方法はない。無駄なMDなどに金を使うのを止めて、我が国は一刻も早く核武装すべきである。
http://www.jiji.com/sp/article?k=2017012900085&g=pol
マティス国防長官が、韓国の後に我が国を訪れ、尖閣諸島は日米安保の適用内であると明言するらしいが、口約束ほど当てにならないものはない。断言するが、尖閣有事に際してアメリカが我が国を守ることはない。その理由は、第一に、日米安保条約第5条では「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。」とあり、日米安保は自動的にではなく、「自国の憲法上の規定及び手続」を経なければ発動しないことになっている。その上で、米国大統領は、陸海空軍の最高指揮官であるが、憲法上、宣戦布告権は連邦議会にあり、大統領といえども武力行使は議会の承認を得なければならない。つまり、米国政府がいくら対日防衛を口約束しても、議会が反対すれば履行されないのである。第二に、尖閣有事に際して、仮に日米が共同して中国の侵攻を撃退したとしても、中国が黙って引き退るとは考えられない。対日戦での敗北は、中国国内における共産党支配の正当性そのものをひっくり返しかねないからだ。その場合、中国は対日攻撃のレベルをエスカレートさせ、米軍基地のある沖縄への核攻撃を示唆して我が国に政治的な屈服を強いるだろう。論理的に、沖縄の米軍が核攻撃を受けた場合に、アメリカは中国本土への核報復に出ざるを得ないが、その場合、中国もアメリカ本土への核報復を仕掛けることになる。問題はそこまでのリスクを犯して米国が我が国を守るかと言うことであり、絶対にない。この様に、米中間で相互核抑止が働いている限り、米国が中国との戦争で我が国を守ることはない。よって米国政府がいくら対日防衛を口にしても、それは所詮、不誠実なリップサービスであり、まやかしに過ぎない。そのことを我々日本国民はいい加減気づかねばならない。
http://sp.yomiuri.co.jp/politics/20170128-OYT1T50137.html
『崎門学報』第九号を発行致しました。ご高覧下さい。
道義国家日本を再建する言論誌(崎門学研究会・大アジア研究会合同編集)